「人手不足で現場が回らない」「採用しても人が集まらない」「従業員の負担が限界に達している」
こうした悩みを抱える中小企業経営者は少なくありません。帝国データバンクの調査によると、正社員の人手不足を感じている企業は全体の5割を超え、特に建設業、運輸業、製造業では深刻な状況が続いています。
人手不足を根本的に解決するには、IoTやロボット、AIといったデジタル技術を活用した省力化・自動化が不可欠です。しかし、これらの設備投資は数百万円から数千万円規模になることも多く、中小企業にとっては大きな負担となります。
そこで活用したいのが「中小企業省力化投資補助金(一般型)」です。この補助金を活用すれば、最大1億円の補助を受けながら、自社の業務プロセスに最適化されたオーダーメイド設備を導入することができます。
本記事では、中小企業診断士として多数の補助金申請を支援してきた経験をもとに、省力化投資補助金(一般型)の制度概要から申請のポイント、採択されるためのコツまで、徹底的に解説します。
目次
- 省力化投資補助金(一般型)とは?制度の概要と目的
- カタログ型との違い:どちらを選ぶべきか
- 補助上限額・補助率の詳細
- 補助対象者の詳細
- 補助対象経費の詳細
- 申請要件(基本要件)の詳細
- 基本要件未達の場合の補助金返還
- 申請の流れと手続き
- 審査のポイントと採択されるコツ
- 加点項目の詳細と取得方法
- 減点項目
- 口頭審査対策
- 補助事業者の義務
- リース会社との共同申請
- よくある失敗パターンと対策
- 業種別の活用事例
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
省力化投資補助金(一般型)とは?制度の概要と目的
制度の目的
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために創設された補助金制度です。
具体的には、IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した専用設備を導入するための経費の一部を補助することで、以下の3つの目的を達成することを目指しています。
- 省力化投資の促進:デジタル技術を活用した設備投資を支援
- 付加価値額・生産性の向上:業務効率化により企業の競争力を強化
- 賃上げの実現:生産性向上の成果を従業員の賃金に還元
この補助金の特徴は、単なる設備投資の支援ではなく、「省力化」と「賃上げ」をセットで求めている点にあります。補助金を受け取った企業は、事業計画期間中に労働生産性の向上と従業員の賃上げを実現することが求められます。
オーダーメイド設備とは?
本事業で補助対象となる「オーダーメイド設備」とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことを指します。
ここでのポイントは「専用で設計された」という部分です。市販の汎用製品をそのまま購入するのではなく、自社の業務プロセスや作業工程、事業所の構造・レイアウト等に合わせて、機能・構造・性能等が一品一様で設計・開発された設備である必要があります。
オーダーメイド設備の具体例
製造業の場合
- 自社の生産ラインに合わせてカスタマイズされた産業用ロボットシステム
- 複数の工程を自動化するための専用搬送システム
- 自社製品の検査に特化したAI画像検査システム
- 生産管理システムと連携したIoTセンサーネットワーク
サービス業の場合
- 店舗のレイアウトに合わせた配膳ロボットシステム
- 自社の業務フローに最適化された受付・案内システム
- 在庫管理と連携した自動発注システム
物流業の場合
- 倉庫のレイアウトに合わせた自動倉庫システム
- ピッキング作業を自動化するロボットシステム
- 配送ルート最適化と連携した荷積みシステム
汎用設備との違い
「汎用設備」とは、市販されている標準的な製品で、特別なカスタマイズなしにそのまま使用できる設備を指します。
汎用設備の例(単体では補助対象外)
- 市販のパソコン、タブレット、スマートフォン
- 標準的なプリンター、複合機
- パッケージソフトウェア(カスタマイズなし)
- 市販の監視カメラシステム
ただし、汎用設備であっても、以下の条件を満たす場合は本事業の対象となります。
-
事業者の導入環境に応じてカスタマイズされる場合
- 周辺機器や構成する機器の数が変わる
- 搭載する機能がカスタマイズされる
-
汎用設備を複数組み合わせて導入する場合
- 省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出す
逆に言えば、単に汎用設備を単体で導入する事業は、本事業の対象とはなりません。この点は審査でも厳しくチェックされるため、申請時には設備の「オーダーメイド性」を明確に説明することが重要です。
カタログ型との違い:どちらを選ぶべきか
省力化投資補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2種類があります。申請を検討する際は、まずどちらが自社に適しているかを判断する必要があります。
カタログ注文型と一般型の比較
| 比較項目 | カタログ注文型 | 一般型 |
|---|---|---|
| 対象設備 | 製品カタログに掲載された製品 | オーダーメイド設備 |
| 補助上限額 | 最大1,500万円 | 最大1億円 |
| 補助率 | 1/2〜2/3 | 1/2〜2/3 |
| 審査の厳しさ | 比較的簡易 | 詳細な審査あり |
| 申請の手間 | 少ない | 事業計画書の作成が必要 |
| 設備の自由度 | 低い(カタログから選択) | 高い(自由に設計可能) |
| 審査期間 | 短い | 長い |
カタログ注文型の特徴
カタログ注文型は、国が省力化効果を認めた製品を「製品カタログ」に掲載し、その中から選んで導入する方式です。
メリット
- 製品の省力化効果が国によって認定済みのため、審査が簡易
- 申請手続きが比較的シンプル
- 審査期間が短い
デメリット
- カタログに掲載されている製品しか選べない
- 自社の業務に完全に最適化された設備は導入できない
- 補助上限額が一般型より低い
一般型の特徴
一般型は、自社の課題に合わせてオーダーメイドで設計された設備を導入できる方式です。
メリット
- 自社の業務プロセスに最適化された設備を導入できる
- 補助上限額が最大1億円と高額
- より高い省力化効果・付加価値向上が期待できる
デメリット
- 詳細な事業計画書の作成が必要
- 審査項目が多く、採択率がカタログ型より低い傾向
- 口頭審査が実施される場合がある
どちらを選ぶべきか?判断のポイント
カタログ注文型が向いているケース
- 製品カタログに自社のニーズに合った製品がある
- 初めて省力化設備を導入する
- できるだけ早く設備を導入したい
- 事業計画書の作成に不安がある
一般型が向いているケース
- 製品カタログに適切な製品がない
- 自社の業務プロセスに合わせたカスタマイズが必要
- 複数の工程を一括で自動化したい
- 高額な設備投資を予定している
- すでに省力化設備の導入経験があり、より高度な自動化を目指したい
重要なポイント
公募要領では、「本事業での申請をご検討いただく前に、中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)の製品カタログを必ず確認してください」と明記されています。
これは、カタログ注文型で対応できる場合はそちらを優先すべきという意味です。一般型はカタログ型よりも審査が厳しく、申請の手間も大きいため、まずはカタログをチェックすることをお勧めします。
なお、製品カタログに登録されているカテゴリに該当する製品を一般型で導入する場合は、審査で考慮されるとされています。つまり、カタログに類似製品があるが、自社の環境に合わせてカスタマイズが必要な場合は、一般型で申請しつつ、カタログ製品の存在をアピールすることで有利になる可能性があります。
補助上限額・補助率の詳細
従業員数別の補助上限額
省力化投資補助金(一般型)の補助上限額は、従業員数に応じて設定されています。
| 従業員数 | 通常の補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
従業員数は「常勤従業員数」で判定します。常勤従業員とは、労働基準法第20条の規定に基づく「あらかじめ解雇の予告を必要とする者」を指します。
常勤従業員に含まれない者
- 日々雇い入れられる者
- 2か月以内の期間を定めて使用される者
- 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
- 試用期間中の者
- 代表取締役
- 専従者
代表取締役や専従者等が常勤従業員としてカウントされていることが判明した場合、採択取消になる可能性があるため、正確にカウントすることが重要です。
補助率
| 対象者 | 通常の補助率 | 最低賃金特例適用時 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 1/2 | 2/3 |
| 小規模企業者・小規模事業者 | 2/3 | 2/3 |
| 再生事業者 | 2/3 | 2/3 |
小規模企業者・小規模事業者の定義
| 業種 | 常勤従業員数 |
|---|---|
| 製造業その他 | 20人以下 |
| 商業・サービス業 | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
小規模事業者に該当する場合、補助率が2/3に引き上げられます。ただし、補助金交付候補者として採択後、交付決定までの間に小規模事業者の定義から外れた場合は、補助率が1/2に変更となります。
また、交付決定後に従業員数が増加し、定義から外れた場合も、確定検査において補助率が2/3から1/2へ計画変更となります。
特例措置の詳細
大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例
大幅な賃上げに取り組む事業者は、補助上限額が引き上げられます。
引き上げ額
| 従業員数 | 補助上限額の引き上げ額 |
|---|---|
| 5人以下 | +250万円(750万円→1,000万円) |
| 6〜20人 | +500万円(1,500万円→2,000万円) |
| 21〜50人 | +1,000万円(3,000万円→4,000万円) |
| 51〜100人 | +1,500万円(5,000万円→6,500万円) |
| 101人以上 | +2,000万円(8,000万円→1億円) |
特例を受けるための要件
- 事業計画期間終了時点において、1人当たり給与支給総額を年平均成長率+6.0%以上増加させる(基本要件+3.5%に加え、さらに+2.5%)
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金を事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準とする(基本要件+30円に加え、さらに+20円)
注意点
- 最低賃金引き上げ特例適用事業者は、この特例を受けられません
- 補助金額の上限額に達しない場合は、引き上げ不可
- 再生事業者、常勤従業員がいない場合も引き上げ不可
- 特例要件が未達の場合、引き上げ分の補助金は返還が必要
最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例
最低賃金近傍で従業員を雇用している事業者は、補助率が引き上げられます。
引き上げ後の補助率
| 対象者 | 引き上げ後の補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2 → 2/3 |
特例を受けるための要件
2024年10月から2025年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あること。
注意点
- 小規模企業者・小規模事業者はすでに補助率2/3のため、この特例は適用されません
- 再生事業者、常勤従業員がいない場合も適用不可
補助金額の計算例
例1:従業員15名の製造業(中小企業)の場合
設備投資額:2,500万円(税抜) 補助率:1/2 補助上限額:1,500万円
計算:2,500万円 × 1/2 = 1,250万円 → 補助上限額1,500万円以内なので、補助金額は1,250万円
例2:従業員8名の小売業(小規模事業者)の場合
設備投資額:900万円(税抜) 補助率:2/3 補助上限額:1,500万円
計算:900万円 × 2/3 = 600万円 → 補助金額は600万円
例3:従業員30名の製造業、大幅賃上げ特例適用の場合
設備投資額:5,000万円(税抜) 補助率:1/2 補助上限額:4,000万円(特例適用)
計算:5,000万円 × 1/2 = 2,500万円 → 補助上限額4,000万円以内なので、補助金額は2,500万円
補助対象者の詳細
中小企業者の定義
本事業の対象となるのは、日本国内で法人登記等がされ、日本国内で事業を営み、かつ日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業等です。
中小企業者(組合関連以外)
資本金または常勤従業員数のいずれかが下表の数字以下であれば対象となります。
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業(一部除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
中小企業者(組合関連)
以下の組合等も対象となります。
- 企業組合、協業組合
- 事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
- 商工組合、商工組合連合会
- 商店街振興組合、商店街振興組合連合会
- 水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会
- 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会(構成員要件あり)
- 酒造組合、酒販組合等(構成員要件あり)
- 内航海運組合、内航海運組合連合会(構成員要件あり)
- 技術研究組合(構成員要件あり)
※財団法人(公益・一般)、社団法人(公益・一般)、医療法人及び法人格のない任意団体は補助対象外です。
特定事業者の一部
中小企業基本法上の中小企業者より規模が大きくても、以下の要件を満たせば対象となります。
| 業種 | 常勤従業員数 | 資本金 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 500人以下 | 10億円未満 |
| 卸売業 | 400人以下 | 10億円未満 |
| サービス業又は小売業 | 300人以下 | 10億円未満 |
| その他の業種 | 500人以下 | 10億円未満 |
特定非営利活動法人(NPO法人)
以下の要件を全て満たすNPO法人も対象となります。
- 広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行うこと
- 従業員数が300人以下であること
- 法人税法上の収益事業を行うこと
- 認定特定非営利活動法人ではないこと
- 交付申請時までに補助金の事業に係る経営力向上計画の認定を受けていること
社会福祉法人
以下の要件を全て満たす社会福祉法人も対象となります。
- 社会福祉法第32条に規定する所轄庁の認可を受け設立されていること
- 従業員数が300人以下であること
- 収益事業の範囲内で補助事業を行うこと
補助対象外となる事業者
以下に該当する場合は、補助対象外となります。申請前に必ず確認してください。
みなし大企業
以下のいずれかに該当する事業者は「みなし大企業」として補助対象外となります。
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の1/2以上を同一の大企業が所有している
- 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2/3以上を大企業が所有している
- 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の1/2以上を占めている
- 上記1〜3に該当する中小企業者が発行済株式の全部を所有している
- 上記1〜3に該当する中小企業者の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている
- 応募申請時点において、確定している直近過去3年間の課税所得の年平均額が15億円を超える
※大企業とは、中小企業基本法に規定する中小企業者以外の者であり、資本金及び従業員数がともに中小企業者の定義を超える場合に該当します。海外企業や自治体等の公的機関も大企業とみなされます。
他の補助金との関係で対象外となる事業者
- 本事業へ応募申請・交付申請中の事業者及び交付決定を受け補助金支払が完了していない事業者
- 過去に「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「新事業進出補助金」の交付決定を受け、補助金支払が完了していない事業者
- 過去3年間に上記補助金の交付決定を合計2回以上受けた事業者
- 観光庁の「観光地・観光産業における人材不足対策事業」で設備投資の補助金交付決定を受けた事業者
その他の対象外事業者
- みなし同一法人(親会社が議決権の50%超を有する子会社等)で複数申請する場合
- 暴力団員又は暴力団員と関係がある事業者
- 従業員が0名の事業者、または1人当たり給与支給総額の対象となる従業員が0名の事業者
- 本事業において補助金適正化法第17条による交付決定取消を受けた事業者
- 経済産業省及び中小機構から補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている事業者
- 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けた事業者
- 申請時に虚偽の内容を提出した事業者
- 一時的に資本金の減額や従業員数の削減を行い、補助事業終了後に元に戻すなど、専ら本事業の対象事業者となることのみを目的とした変更を行っている事業者
補助対象経費の詳細
対象となる経費区分
補助対象となる経費は、本事業の対象として明確に区分でき、その経費の必要性及び金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できるものに限られます。
また、対象経費は交付決定を受けた日付以降に契約(発注)等を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限ります。交付決定前の契約・発注は一切認められません。
機械装置・システム構築費(必須)
概要 単価50万円(税抜き)以上の機械装置等の設備投資が必須です。この経費区分が補助事業の中核となります。
対象となるもの
- 専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
- 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
- 上記と一体で行う改良又は据付けに要する経費
対象となる資産の種類 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」における以下の区分に該当するもの。
- 機械及び装置
- 器具及び備品
- 工具
- ソフトウェア
- 電気通信施設利用権
対象外となるもの
- 船舶、航空機、車両及び運搬具
借用(リース・レンタル)について
- 交付決定後に契約したもので、補助事業実施期間中に要する経費のみが対象
- 契約期間が補助事業実施期間を超える場合は、按分等により補助事業実施期間分のみが対象
- リース会社との共同申請スキームを利用する場合は、購入費用全額が対象となる場合あり(後述)
システム構築費の注意点
- 採択後、見積書に加え仕様書等の価格妥当性を検証できる書類の提出が求められる場合あり
- 実績報告時に、要件定義書または開発費用算出資料の提出が必要
- 「システム開発一式」のような見積は認められず、積算根拠が明確な見積書が必要
サイバーセキュリティ対策について 本事業で導入したシステム等のサイバーセキュリティ対策のために、市販パッケージのウィルス対策ソフト等を購入する費用は補助対象となります。ただし、ウィルス対策ソフト等を単体で購入する費用や、汎用PC等にインストールするために購入する費用は対象外です。
運搬費(任意)
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費が対象です。 ※購入時の機械装置の運搬料については、機械装置費に含めます。
技術導入費(任意)
本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費が対象です。
上限額:補助対象経費総額(税抜き)の1/3
注意点
- 知的財産権を他者から取得(実施権の取得を含む)する場合は書面による契約の締結が必要
- 技術導入費の支出先には、専門家経費、外注費を併せて支払うことはできません
知的財産権等関連経費(任意)
生産・業務プロセスの改善等に当たって必要となる特許権等の知的財産権の取得に要する弁理士の手続代行費用等が対象です。
上限額:補助対象経費総額(税抜き)の1/3
対象外となる経費
- 日本の特許庁に納付する手数料等(出願料、審査請求料、特許料等)
- 拒絶査定に対する審判請求又は訴訟を行う場合に要する経費
- 補助事業実施期間中に知的財産権の出願手続きの完了が認められないもの
外注費(任意)
専用設備の設計等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費が対象です。
上限額:補助対象経費総額(税抜き)の1/2
注意点
- 外注先が機械装置等の設備を購入する費用は補助対象外
- 外注先との書面による契約の締結が必要
- 機械装置等の製作を外注する場合は「機械装置・システム構築費」に計上
- 外注先に、技術導入費、専門家経費を併せて支払うことはできません
脆弱性診断について 本事業で導入したシステム等にかかるサイバーセキュリティ対策のための脆弱性診断(セキュリティ診断)の費用も補助対象となります。
専門家経費(任意)
本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費が対象です。
上限額:補助対象経費総額(税抜き)の1/2 1日上限:5万円
謝金単価の目安
- 大学教授、弁護士、弁理士、公認会計士、医師:1日5万円以下
- 大学准教授、技術士、中小企業診断士、ITコーディネータ:1日4万円以下
注意点
- 専門家経費支出対象者には、技術導入費、外注費を併せて支出することはできません
- 応募時に事業計画書の作成を支援した者は、専門家経費の補助対象外
クラウドサービス利用費(任意)
クラウドサービスの利用に関する経費が対象です。
対象となるもの
- 専ら補助事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費
- サーバーの領域を借りる費用
- サーバー上のサービスを利用する費用
- ルータ使用料・プロバイダ契約料・通信料等の補助事業に必要な最低限のもの
対象外となるもの
- 自社の他事業と共有する場合のクラウドサービス
- サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費
- パソコン・タブレット端末・スマートフォンなどの本体費用
補助対象期間 契約期間が補助事業実施期間を超える場合は、按分等により補助事業実施期間分のみが対象となります。
機械装置・システム構築費以外の経費の上限
機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で**500万円(税抜き)**までが補助上限額となります。
つまり、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費の合計が500万円を超えることはできません。
補助対象外となる経費
以下の経費は補助対象外です。申請前に必ず確認してください。
タイミングに関するもの
- 交付決定前に発生した経費(いかなる理由でも事前着手は認められません)
- 過去に購入した設備に対する作業費用や補助対象外設備に対する費用
設備・物品に関するもの
- 汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費(パソコン、プリンタ、タブレット、スマートフォン、カメラ等)
- 自動車、船舶、航空機等の購入費・修理費・車検費用
- 不動産(土地、建物、構築物)の取得費用(ビニールハウス、コンテナ、ドームハウス等の簡易建物も対象外)
- 再生エネルギーの発電設備及び付属設備(太陽光発電のソーラーパネル等)
- 設置場所の整備工事や基礎工事に要する費用
- 中古品購入費
人件費・経費に関するもの
- 事業にかかる自社の人件費・旅費・交際費
- 補助事業者自身の移動交通費・宿泊費
- 事務所等にかかる家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
- 電話代、インターネット利用料金等の通信費
その他
- 開発を必要としないパッケージソフト・汎用ソフトウェアの購入及び導入設定・セットアップ費用
- 既存システムやソフトウェアのバージョンアップ・アップデート・改修費用
- 自社の商品(製品、システム、サービス等)の製作費、原材料費
- 導入する設備の試運転に伴う原材料費、光熱費等
- 商品券等の金券
- 文房具などの消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
- 飲食、奢侈、娯楽、接待等の費用
- 税務申告、決算書作成等のための費用及び訴訟等のための弁護士費用
- 収入印紙、振込等手数料、両替手数料
- 公租公課(消費税等)
- 各種保険料
- 借入金などの支払利息及び遅延損害金
- 報告書等の事務局に提出する書類作成・申請に係る費用
- 同一代表者・役員が含まれる事業者等への支払い
- 同一企業の部署間の支払
申請要件(基本要件)の詳細
補助金を受けるためには、以下の基本要件を全て満たす3〜5年の事業計画を策定する必要があります。
要件1:労働生産性の年平均成長率+4.0%以上
事業計画期間において、毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)4.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組まなければなりません。
労働生産性の計算方法
労働生産性は以下の計算式で算出します。
労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働者数
付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
労働者数 = 常勤従業員数 + 役員数(個人事業主の場合は事業主及び専従者を含む)
年平均成長率の計算方法
労働生産性の年平均成長率(%) = [{(効果報告時の労働生産性)÷(応募申請時の労働生産性)}^(1/効果報告回数) - 1] × 100
計算例
前提条件
- 応募申請時の労働生産性:500万円/人
- 事業計画期間:5年
目標設定(年平均成長率4.0%の場合)
- 1年目:500万円 × 1.04 = 520万円/人
- 2年目:520万円 × 1.04 = 540.8万円/人
- 3年目:540.8万円 × 1.04 = 562.4万円/人
- 4年目:562.4万円 × 1.04 = 584.9万円/人
- 5年目:584.9万円 × 1.04 = 608.3万円/人
5年間で労働生産性を500万円/人から608.3万円/人(約21.7%増)に向上させる計画が必要です。
要件2:1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上
事業計画期間終了時点において、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる事業計画を策定することが求められます。
1人当たり給与支給総額の算出方法
対象となる従業員 基準年度及び算出対象となる各事業年度において、全月分の給与等の支給を受けた従業員が対象です。中途採用や退職等で全月分の給与を受けていない従業員は、その事業年度の算出対象から除外します。
算定対象となる給与等
- 給料、賃金、賞与
- 各種手当(残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族(扶養)手当、住宅手当)等
- 給与所得として課税対象となる経費
算定対象外
- 福利厚生費、法定福利費
- 退職金
- 産前・産後休業、育児休業、介護休業、時短勤務中の従業員(算定対象から除くことが可能)
目標設定の流れ
- 事業者自身で3.5%以上の目標値を設定
- 交付申請時までに全従業員または従業員代表者、役員に対して表明
- 交付申請時に「賃金引き上げ計画の表明書」を提出
- 事業計画最終年度において目標値を達成
注意点
- 応募申請時に従業員数が0名の場合、本事業には応募できません
- 基準年度及び算出対象年度において、対象従業員が0名の場合も応募できません
要件3:事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準とすることが必要です。
補助事業実施場所が複数ある場合 事業場内最低賃金が最も低くなる事業場のものを使用します。
最低賃金引き上げ特例適用事業者の場合 本要件は適用されません。
要件4:一般事業主行動計画の公表(従業員21名以上の場合)
従業員数21名以上の場合、交付申請時までに「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく有効な一般事業主行動計画を公表することが必要です。
重要な注意点
- 一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」に掲載するには、2週間程度の期間を要します
- 審査過程で不備が発覚する場合もあるため、2週間以上の余裕をもって公表申請を行ってください
- サイト公表申請の審査状況に関する問合せは受け付けられておらず、問合せをしても手続を早めることはできません
手続きの流れ
- 一般事業主行動計画を策定
- 管轄の都道府県労働局へ届出(可能な限り)
- 「両立支援のひろば」で公表申請
- 審査(2週間程度)
- 公表完了
その他の要件
基本要件に加えて、以下の全ての要件を満たすことが必要です。
省力化指数の算出
補助事業者の業務領域・導入環境において、当該事業計画により業務量が削減される割合を示す「省力化指数」を計算した事業計画を策定する必要があります。
省力化指数の計算式
省力化指数 = {(設備導入により削減される業務に要していた時間)-(設備導入後に発生する業務に要する時間)} ÷(設備導入により削減される業務に要していた時間)
例:計算例
- 設備導入前の作業時間:100時間/月
- 設備導入後の作業時間:30時間/月
- 省力化指数 = (100 - 30) ÷ 100 = 0.7(70%)
新規出店の場合 新規出店を行う場合は、新たな業務プロセスで潜在的・将来的に存在する人手の削減時間も組み込むことが可能です。
投資回収期間の算出
事業計画上の投資回収期間を根拠資料とともに提出する必要があります。
投資回収期間の計算式
投資回収期間 = 投資額 ÷(削減工数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)
投資回収期間が短いほど、審査で高く評価されます。
付加価値額の増加
3〜5年の事業計画期間内に、補助事業において、設備投資前と比較して付加価値額が増加する事業計画を策定する必要があります。
オーダーメイド設備の導入
人手不足の解消に向けて、オーダーメイド設備等の導入を行う事業計画を策定する必要があります。
前述の通り、汎用設備を単体で導入する事業は対象外ですが、以下の場合は対象となります。
- 事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合
- 汎用設備を組み合わせて導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出す場合
金融機関による確認(該当する場合)
本事業に係る資金について金融機関(ファンド等を含む)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、「金融機関による確認書」を提出する必要があります。
金融機関は、事業場の所在地域にある必要はありません。
基本要件未達の場合の補助金返還
採択を受けて補助金を受給した後、基本要件を達成できなかった場合は、補助金の返還が求められます。
1人当たり給与支給総額の増加目標が未達の場合
事業計画期間終了時点において、1人当たり給与支給総額の年平均成長率が3.5%以上の目標を達成できなかった場合、達成率に応じて補助金の返還が求められます。
返還金額の計算式
返還金額 = (補助金交付額 - 補助上限引き上げ額)×(1 - 達成率)
達成率の計算式
達成率 = 事業計画終了時点の年平均成長率(%)÷ 申請時に掲げた3.5%以上の目標値(%)
返還免除の条件
- 付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合
- 天災など、事業者の責めに帰さない理由がある場合
年平均成長率が0またはマイナスの場合 補助金全額の返還が必要です。
事業場内最低賃金の引き上げ要件が未達の場合
事業計画期間中の毎年3月末時点において、事業場内最低賃金の引き上げ要件を達成できなかった場合、補助金額を事業計画年数で除した額の返還が求められます。
例:5年計画で1,000万円の補助金を受けた場合 要件未達の年度につき、1,000万円 ÷ 5年 = 200万円/年 の返還
返還免除の条件
- 付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として当該事業年度の営業利益赤字の場合
- 天災など、事業者の責めに帰さない理由がある場合
大幅賃上げ特例要件が未達の場合
以下のいずれか一方でも未達の場合は、補助上限引き上げ額の返還が求められます。
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上の目標が未達
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準を満たさない
なお、基本要件の目標も達成していない場合は、基本要件未達に基づく返還も求められます。
再生事業者の特例
再生事業者については、基本要件未達の場合の返還要件が免除されます。
申請の流れと手続き
事業の全体スケジュール
省力化投資補助金(一般型)の申請から補助金受給までの流れは以下の通りです。
- 事前準備
- 公募開始
- 申請受付開始
- 審査
- 補助金交付候補者決定(採択発表)
- 交付申請・交付決定
- 補助事業実施期間
- 確定検査
- 補助金請求
- 補助金支払い
- 効果報告(事業計画期間中、毎年)
Step 1:事前準備
申請前に以下の準備を行います。
GビズIDプライムアカウントの取得
本事業の申請には「GビズIDプライムアカウント」が必須です。ID取得には一定の期間(1週間程度)を要するため、早めに取得手続きを行ってください。
取得方法
- GビズIDのサイト(https://gbiz-id.go.jp/)にアクセス
- 「gBizIDプライム作成」から申請
- 必要書類(印鑑証明書等)を郵送
- 審査完了後、アカウント発行
一般事業主行動計画の公表(従業員21名以上の場合)
「両立支援のひろば」への掲載には2週間程度かかるため、早めに準備を行ってください。
導入設備の検討・見積取得
- 導入する設備の仕様を検討
- システムインテグレータ等と打ち合わせ
- 見積書を取得(50万円以上の場合は相見積もりが原則必要)
事業計画書の作成
審査で評価される事業計画書を作成します(詳細は後述)。
Step 2:応募申請
電子申請システム(jGrants)から申請します。
主な提出書類
全事業者共通
- 損益計算書(直近2期分)
- 貸借対照表(直近2期分)
- 事業計画書(その1・その2)または事業計画書(関税影響を受けている申請者用)
- 事業計画書(その3)【指定様式】
- 1人当たり給与支給総額の確認書【指定様式】
法人の場合
- 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)
- 納税証明書(その2)直近3期分
- 法人事業概況説明書
- 役員名簿【指定様式】
- 株主・出資者名簿【指定様式】
個人事業主の場合
- 確定申告書の控え(第一表)
- 納税証明書(その2)直近1年分
- 所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書
該当する場合のみ
- 事業実施場所リスト(複数の場合)
- 地域別最低賃金引き上げに係る要件確認書(特例適用の場合)
- 他の助成制度の利用実績確認書
- 金融機関確認書(借入を受ける場合)
- 事業承継・M&A確認資料(加点希望の場合)
Step 3:審査
提出された事業計画書に基づいて、事務局が審査を行います。
審査は「書面審査」と、必要に応じて「口頭審査」が実施されます(詳細は後述)。
Step 4:採択発表
採択結果は、採択発表日にホームページで公表されます。
公表される情報
- 採択を受けた補助事業者の事業者名
- 法人番号
- 住所(市区町村まで。個人事業主は都道府県まで)
- 事業計画名
- 支援機関名等
採択者及び不採択者には、事務局から審査結果が通知されます。なお、審査結果の詳細な内容については回答されません。
Step 5:交付申請・交付決定
採択後、2か月以内に交付申請を行います。
交付申請に必要な主な書類
- 見積依頼書
- 見積書(50万円以上は相見積もりが原則)
- 賃金引き上げ計画の表明書【指定様式】
- 不動産登記事項証明書や賃貸借契約書等
- 研修動画の修了証
- システム構築費の明細(該当する場合)
重要な注意点
- 交付申請内容に不備がある場合、交付決定ができません
- 応募申請時の内容が全て承認されたわけではなく、交付申請時に改めて審査されます
- 補助対象外経費が含まれていた場合等は、交付決定額が減額または全額対象外となる場合があります
- 補助事業実施場所の変更は原則認められていません
Step 6:補助事業の実施
交付決定日から補助事業を開始できます。
補助事業実施期間 交付決定日から18か月以内(採択発表日から20か月以内)
実施期間中の注意点
- 契約(発注)・納品・検収・支払等の全ての手続きを期間内に完了する必要があります
- 経費の配分や内容を変更する場合は、事前に承認を得る必要があります
- 事業を中止・廃止する場合も、事前に承認が必要です
Step 7:実績報告・確定検査
補助事業が完了したら、その日から30日以内(または事業完了期限日のいずれか早い日まで)に実績報告書を提出します。
実績報告に必要なもの
- 補助事業実績報告書
- 証拠書類(契約書、発注書、納品書、検収書、請求書、領収書、振込明細等)
- システム構築費の場合は要件定義書または開発費用算出資料
確定検査 中小機構及び事務局が補助対象となる設備や帳簿類の現地調査を行います。
Step 8:補助金の受給
確定検査の結果、補助金額が確定した後、精算払いで補助金が支給されます。
注意点
- 補助金は経理上、支払を受けた事業年度における収入として計上
- 法人税等の課税対象となります
Step 9:効果報告
事業計画期間の1年目が終了してから、最初の4月より5年間、毎年事務局が定める期限までに効果報告を行う必要があります。
報告内容
- 労働生産性の推移
- 1人当たり給与支給総額の推移
- 事業場内最低賃金の状況
- 補助事業に係る発明・考案等の知的財産権の出願・取得状況(該当する場合)
効果報告を怠った場合 補助金の返還を求められる場合があります。
審査のポイントと採択されるコツ
審査は「補助対象事業としての適格性」「技術面」「計画面」「政策面」の4つの観点から行われます。
1. 補助対象事業としての適格性
公募要領に記載の対象事業、対象者、申請要件、補助率等を満たしているかが確認されます。
チェックポイント
- 中小企業者の定義を満たしているか
- みなし大企業に該当しないか
- 基本要件を全て満たす事業計画になっているか
- 補助対象経費の区分が適切か
- 補助対象外事業に該当しないか
2. 技術面の審査
省力化指数、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備の4つの観点から評価されます。
省力化指数
評価ポイント
- 省力化指数が高い取組であることが示されているか
- 記載内容や算出根拠が妥当か
採択されるコツ
- 現状の業務時間を具体的に計測・記録する
- 設備導入後の業務時間を根拠を持って算出する
- 削減される業務の内容を具体的に説明する
- 可能な限り高い省力化指数(50%以上が望ましい)を目指す
投資回収期間
評価ポイント
- 投資回収期間が短い取組であることが示されているか
- 記載内容や算出根拠が妥当か
採択されるコツ
- 削減工数を具体的な数値で示す
- 人件費単価の根拠を明確にする
- 付加価値額の増加を具体的に計画する
- 投資回収期間は5年以内が望ましい(短いほど評価が高い)
付加価値額
評価ポイント
- 付加価値額の年平均成長率が大きい案件であることが示されているか
- 記載内容や算出根拠が妥当か
採択されるコツ
- 営業利益、人件費、減価償却費それぞれの計画を立てる
- 省力化による人件費の再配置(高付加価値業務への転換)を説明する
- 売上増加や原価低減の根拠を明確にする
オーダーメイド設備
評価ポイント
- デジタル技術等を活用した専用設備の導入計画であることが示されているか
- 汎用設備であっても、カスタマイズや組み合わせにより高い省力化効果を生み出すことが示されているか
採択されるコツ
- 自社の業務プロセス・導入環境の特殊性を説明する
- なぜ汎用設備では対応できないのかを明確にする
- システムインテグレータとの連携内容を具体的に記載する
- 設備の機能・構造・性能のカスタマイズ内容を詳細に説明する
3. 計画面の審査
スケジュールの具体性、企業の収益性・生産性・賃金の向上が評価されます。
実施体制・財務状況
評価ポイント
- 補助事業を適切に遂行できる社内外の体制があるか
- 最近の財務状況は健全か
- 金融機関等からの十分な資金調達が見込まれるか
- サイバーセキュリティ対策の状況は適切か
採択されるコツ
- 社内の担当者・責任者を明確にする
- 外部パートナー(SIer等)との連携体制を説明する
- 直近の財務諸表で安定性をアピールする
- 資金調達計画を具体的に示す(金融機関確認書の取得)
- 導入後のセキュリティ対策を説明する
事業の優位性・収益性
評価ポイント
- 補助事業の成果が優位性や収益性を有しているか
- 省力化による結果に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か
採択されるコツ
- 競合他社との差別化ポイントを明確にする
- 設備導入による競争力向上を具体的に説明する
- 実現可能なスケジュールを作成する
- マイルストーンを設定し、進捗管理方法を示す
賃上げの実現可能性
評価ポイント
- 高い賃上げを実現する目標値が設定されているか
- 目標値の実現可能性が高い事業計画となっているか
採択されるコツ
- 賃上げの原資となる利益増加の根拠を示す
- 従業員への還元方針を明確にする
- 過去の賃上げ実績があればアピールする
会社全体への波及効果
評価ポイント
- 補助事業が会社全体にシナジーや成果をもたらす取組みになっているか
- 省力化された時間や労働力を高付加価値業務に振り向けることで賃上げにつながるか
- 「労働生産性」「1人当たり給与支給総額」等の算出根拠に妥当性があるか
採択されるコツ
- 省力化で生まれた時間の活用方法を具体的に説明する
- 高付加価値業務への転換計画を示す
- 会社全体の成長戦略の中での位置づけを明確にする
- 数値目標の算出根拠を詳細に説明する
4. 政策面の審査
地域経済への貢献や、国の経済政策として支援すべき取組であるかが評価されます。
地域経済への貢献
評価ポイント
- 地域の特性を活かして高い付加価値を創出するか
- 地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果があるか
- 地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか
審査で考慮される認定・選定
- 地域未来牽引企業に選定されている
- 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けている
事業承継・経営資源の有効活用
評価ポイント
- 事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか
審査で考慮される実績
- アトツギ甲子園ピッチ大会出場者
先端技術・イノベーション
評価ポイント
- 先端的なデジタル技術、ロボットの活用があるか
- 低炭素技術の活用、環境に配慮した事業か
- 経済社会にとって特に重要な技術の活用があるか
- 新しいビジネスモデルの構築があるか
- 我が国のイノベーションを牽引し得るか
採択されるコツ
- 最新のデジタル技術(AI、IoT、ロボット等)の活用を具体的に説明する
- 環境負荷低減効果があればアピールする
- 業界での先進性・革新性を強調する
イノベーション製品の導入
評価ポイント
- 革新的で優れた省力化技術を持つ中小事業者の製品を導入するか
- 人手不足という社会課題を解決する製品の市場拡大に寄与するか
審査で考慮される条件 製品の革新性や製造元が中小事業者である事を示す追加資料を提出し、導入予定の機器装置が革新的で優れた省力化技術を持つと認められた場合
加点項目の詳細と取得方法
以下の取組を行う事業者には加点が付与されます。申請前に取得できる加点項目は積極的に取得することをお勧めします。
1. 事業承継又はM&Aを実施した事業者
内容 過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)により有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客等)を引き継いだ事業者
対象となる事業承継
- 株式譲渡又は相続・贈与により法人と個人間で承継した場合
- 同一法人内で代表者交代した場合
必要書類 事業承継又はM&Aを実施したことがわかる確認資料
2. 事業継続力強化計画(BCP)
内容 有効な期間の事業継続力強化計画(連携型含む)の認定を取得している事業者
取得方法
- 事業継続力強化計画を策定
- 経済産業大臣に申請
- 認定を受ける(概ね45日程度)
メリット
- 加点だけでなく、税制優遇や金融支援も受けられる
- 比較的取得しやすい加点項目
3. 成長加速マッチングサービスへの登録
内容 「成長加速マッチングサービス」において会員登録を行い、挑戦課題を登録している事業者
取得方法
- 成長加速マッチングサービス(https://mirasapo-connect.go.jp/)にアクセス
- 会員登録を行う
- 挑戦課題を登録する
注意点 応募締切日時点で登録が完了している必要があります。
4. 地域別最低賃金引き上げに係る加点
内容 2024年10月から2025年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上ある事業者
必要書類 地域別最低賃金引き上げに係る要件確認書【指定様式】
5. 事業場内最低賃金引き上げに係る加点
内容 2025年7月と応募申請直近月の事業場内最低賃金を比較し、「全国目安で示された額(63円)」以上の賃上げをした事業者
必要書類 事業場内最低賃金引き上げに係る要件確認書【指定様式】
6. えるぼし認定
内容 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者
認定基準
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
7. くるみん認定
内容 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者
認定基準
- 育児休業取得率
- 労働時間
- 所定外労働の削減
- 年次有給休暇の取得促進 等
減点項目
以下に該当する場合は減点されます。
加点項目要件未達事業者
中小企業庁が所管する補助金において、賃上げに関する加点を受けたうえで採択されたにもかかわらず、申請した加点項目要件を達成できなかった場合、効果報告等において未達が報告されてから18か月の間、大幅に減点されます。
対象となる補助金
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
- IT導入補助金
- 持続化補助金
- 事業承継・M&A補助金
- 成長加速化補助金
- 事業再構築補助金
- 省力化投資補助金
- Go-Tech事業
例外 災害を受け、事業において著しい損失を受けたと認められる場合等により、やむを得ず加点要件を達成できなかった場合は減点されません。
口頭審査対策
口頭審査は、一定の基準で事業者を選定し、必要に応じてオンラインで実施されます。
口頭審査の概要
審査内容
- 補助対象事業としての適格性
- 技術面
- 計画面
事業計画書の内容を補完するための質問や、本補助金申請にあたっての意思決定の背景等、事業計画書に記載のない内容について質問される場合があります。
審査方法
- オンライン(Zoom等)で実施
- 所要時間:1事業者30分程度
- 審査中はカメラをオンにし、上半身(正面を向いて顔と耳と肩が明瞭に判別できる)を映す
- 音声は録音される
審査対応者
対応できる者
- 法人代表者
- 個人事業主本人
- 役員(社外取締役を除く)
同席できる者
- 役員または従業員(申請時に申請担当者欄に記載している者に限る)1名まで
- 日本語でのコミュニケーションに不安がある場合は通訳者1名まで
対応・同席できない者
- 事業計画書作成支援者
- 経営コンサルタント
- 社外顧問
- その他、申請事業者・申請担当者以外の者
事前準備
必要なもの
- 安定したインターネットに接続されたPC
- PC内蔵または外付けのWebカメラ、マイク、スピーカー
- 顔写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
- 会社内の会議室等、審査に適した環境(公共スペースは不可)
口頭審査のポイント
事前の準備
- 事業計画書の内容を完全に把握しておく
- 数値の根拠を説明できるようにしておく
- 想定質問に対する回答を準備しておく
審査当日
- 5分前から事前入室し、接続テストを行う
- 本人確認に必要な身分証明書を手元に用意
- 落ち着いて、明確に回答する
- 質問の意図がわからない場合は確認する
注意点
- 指定日時に審査が開始できない場合は、申請辞退とみなされ不採択となる場合がある
- 本人確認ができない場合も同様
- 審査対応者以外の同席が確認された場合も不採択となる場合がある
- 審査対応者が申請事業者自身でないことが判明した場合は、不採択または交付決定取消、補助金返還となる
補助事業者の義務
採択・交付決定を受けた場合、以下の義務を守る必要があります。
研修動画の視聴
採択された事業者は、研修動画の視聴が必須です(確認テストを含む)。視聴しない場合は、採択は無効となります。
処分制限財産の管理
単価50万円(税抜き)以上の機械等の財産(処分制限財産)については、処分制限期間内に以下の処分を行う場合、事前に承認を受ける必要があります。
処分の定義
- 補助金の交付の目的に反する使用
- 譲渡、交換、貸付け
- 担保に供する処分
- 廃棄等
処分制限期間 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を準用します。事業計画期間終了後であっても、法定耐用年数を経過するまでは処分に制限がかかります。
財産処分時の納付 残存簿価相当額又は時価(譲渡額)のいずれか高い額により、当該処分財産に係る補助金額を限度に納付が必要です。
保険・共済への加入
事業計画期間終了までの間、本事業により導入した機械装置を対象として、風水害等の自然災害を含む損害を補償する保険または共済(付保割合50%以上)に加入することが原則必須です。
保守・メンテナンス契約の締結
システム構築費を計上する場合、発注先の事業者と3〜5年の事業計画期間内における保守・メンテナンス契約を締結することが必要です。 ※保守・メンテナンスに係る費用は補助対象外です。
効果報告
事業計画期間の1年目が終了してから、最初の4月より5年間、毎年効果報告を行う義務があります。効果報告を怠った場合や虚偽報告があった場合は、補助金の返還を求められる場合があります。
証拠書類の保管
本事業に係る経理について、収支の事実を明確にした証拠書類を整理し、補助事業の完了の日の属する年度の終了後5年間保存しなければなりません。
会計検査への協力
補助事業実施中及び終了後、会計検査院の実地検査及び中小機構の立入検査に協力する必要があります。
リース会社との共同申請
中小企業等と対象リース会社が共同申請をする場合、機械装置・システム構築費について、中小企業等が対象リース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されることを条件に、購入費用について対象リース会社を対象に補助金を交付することが可能です。
共同申請のメリット
- 設備購入費用全額が補助対象となる(通常のリースは補助事業実施期間分のみ)
- 初期投資を抑えながら設備導入が可能
- リース料から補助金相当分が減額される
共同申請の条件
- 対象となるリース取引は、ファイナンス・リース取引に限る
- 対象となる経費は、リース会社が機械装置・システムの販売元に支払う購入費用に限る
- 見積もりの取得は中小企業等が実施
- リース期間は処分制限期間を含む期間となるよう設定
- (公社)リース事業協会が確認した「リース料軽減計算書」を提出
対象外となるケース
- セール&リースバック取引
- 転リース取引
- 割賦契約
注意点
- 応募申請時に共同申請の利用を申告が必要
- 応募申請時に利用を申告した事業者が、交付申請でリースの共同申請を取りやめることはできない
- 中小企業等が交付決定取消や要件未達成で補助金返還となった場合、リース会社にも返還が求められる
よくある失敗パターンと対策
失敗1:交付決定前に発注してしまった
状況 採択されたことで安心し、交付決定を待たずに設備を発注してしまった。
結果 交付決定前の発注は一切認められないため、補助対象外となります。
対策
- 採択後も必ず交付決定を待つ
- 交付決定通知書に記載された交付決定日を確認してから発注する
- 発注先にも交付決定後の発注になることを事前に伝えておく
失敗2:見積書の取得漏れ・不備
状況 50万円以上の物件で相見積もりを取らなかった、または見積条件が統一されていなかった。
結果 交付申請が認められない、または補助対象経費が減額される可能性があります。
対策
- 50万円以上の物件は必ず相見積もりを取得
- 同一条件での見積もりを依頼
- 最低価格を提示した者を選定(選定しない場合は理由書が必要)
失敗3:補助対象外経費を計上していた
状況 汎用PCやソフトウェア、人件費など、補助対象外の経費を計上していた。
結果 当該経費は補助対象外となり、交付決定額が減額されます。
対策
- 補助対象経費・対象外経費を事前によく確認
- 不明な点は事務局に確認
- 汎用性のある設備は対象外であることを認識
失敗4:オーダーメイド性の説明不足
状況 導入する設備のオーダーメイド性を十分に説明できず、汎用設備の単純導入と判断された。
結果 審査で低評価となり、不採択または補助対象外となります。
対策
- 自社の業務プロセスの特殊性を具体的に説明
- なぜ汎用設備では対応できないのかを明確に
- カスタマイズの内容を詳細に記載
- システムインテグレータとの打ち合わせ内容を示す
失敗5:事業計画の数値根拠が不明確
状況 省力化指数や投資回収期間、付加価値額の計算根拠が曖昧だった。
結果 審査で実現可能性が低いと判断され、不採択となります。
対策
- 現状の業務時間を具体的に計測・記録
- 人件費単価の根拠を明確に
- 売上・利益計画の根拠を示す
- 過去の実績データを活用
失敗6:賃上げ要件を達成できなかった
状況 補助金を受給したが、事業計画期間中に賃上げ要件を達成できなかった。
結果 達成率に応じて補助金の返還が求められます。
対策
- 現実的な目標設定を行う
- 賃上げの原資となる利益増加計画を立てる
- 毎年の進捗を管理し、早めに対策を講じる
- 達成が困難な場合は、免除要件に該当するか確認
失敗7:効果報告を怠った
状況 補助事業完了後、効果報告の提出を忘れていた。
結果 補助金の返還を求められる場合があります。
対策
- 効果報告の期限をカレンダーに登録
- 担当者を決めて管理する
- 必要なデータを日常的に記録しておく
業種別の活用事例
製造業の活用事例
事例1:金属加工業(従業員25名)
課題
- 熟練工の高齢化と後継者不足
- 検査工程が手作業で時間がかかる
- 品質のばらつきが発生
導入設備
- AI画像検査システム
- 産業用ロボットによる搬送システム
- 生産管理システムとの連携
効果
- 検査工程の省力化指数:80%
- 検査時間:1日8時間→1.5時間
- 品質不良率:3%→0.5%
- 投資回収期間:3年
事例2:食品製造業(従業員40名)
課題
- 包装工程の人手不足
- 繁忙期の残業増加
- 従業員の負担軽減
導入設備
- 自動包装ラインシステム
- 重量検査・金属検出装置
- IoTセンサーによる稼働監視
効果
- 包装工程の省力化指数:70%
- 生産能力:20%向上
- 残業時間:月40時間削減
- 投資回収期間:4年
サービス業の活用事例
事例3:飲食業(従業員15名)
課題
- ホールスタッフの人手不足
- 注文ミスの発生
- 顧客満足度の向上
導入設備
- 配膳ロボットシステム
- タブレット注文システム
- キッチンディスプレイシステム
効果
- 配膳業務の省力化指数:60%
- 注文ミス:90%削減
- 顧客回転率:15%向上
- 投資回収期間:3.5年
事例4:宿泊業(従業員30名)
課題
- フロント業務の効率化
- 多言語対応の負担
- 深夜帯の人員確保
導入設備
- 自動チェックイン/アウトシステム
- 多言語対応AIコンシェルジュ
- 客室清掃管理システム
効果
- フロント業務の省力化指数:50%
- 多言語対応:5言語に拡大
- 深夜スタッフ:2名→0名
- 投資回収期間:4.5年
物流業の活用事例
事例5:倉庫業(従業員50名)
課題
- ピッキング作業の効率化
- 在庫管理の精度向上
- 出荷ミスの削減
導入設備
- 自動倉庫システム
- ピッキングロボット
- WMS(倉庫管理システム)
効果
- ピッキング作業の省力化指数:75%
- 在庫精度:99.9%達成
- 出荷ミス:95%削減
- 投資回収期間:5年
よくある質問(FAQ)
申請資格に関する質問
Q. 創業したばかりですが、申請できますか?
A. 創業後すぐでも申請可能ですが、以下の条件があります。
- 法人登記が完了していること
- 決算書(1期分)があること
- 従業員が1名以上いること
- 1人当たり給与支給総額の対象となる従業員がいること
なお、直近2期分の決算書が求められるため、1期しかない場合は1期分で申請することになります。
Q. 個人事業主でも申請できますか?
A. はい、個人事業主も対象です。ただし、以下の書類が必要です。
- 確定申告書の控え(第一表)
- 納税証明書(その2)直近1年分
- 所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書
Q. NPO法人でも申請できますか?
A. 以下の要件を全て満たすNPO法人は対象となります。
- 広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行うこと
- 従業員数が300人以下であること
- 法人税法上の収益事業を行うこと
- 認定特定非営利活動法人ではないこと
- 交付申請時までに経営力向上計画の認定を受けていること
Q. 親会社がある場合、申請できますか?
A. 親会社が大企業で、発行済株式の1/2以上を所有している場合は「みなし大企業」となり、申請できません。また、親会社が議決権の50%超を有する子会社がある場合は「みなし同一法人」となり、親会社と子会社のいずれか1社のみでの申請となります。
補助対象経費に関する質問
Q. 交付決定前に設備を発注してもいいですか?
A. いいえ、交付決定前の発注・契約・購入は一切認められません。事前着手は理由を問わず補助対象外となります。必ず交付決定日以降に発注してください。
Q. 汎用パソコンは補助対象になりますか?
A. 汎用パソコン、プリンタ、タブレット、スマートフォン等は、目的外使用になり得るため補助対象外です。ただし、補助事業専用のシステムを動かすための専用端末で、他の用途に使用しないことが明確な場合は、個別に相談してください。
Q. 中古品は補助対象になりますか?
A. いいえ、中古品は補助対象外です。新品の設備のみが対象となります。
Q. 建物の改修費用は補助対象になりますか?
A. 不動産(土地、建物、構築物)の取得費用は補助対象外です。設置場所の整備工事や基礎工事も対象外となります。
Q. 自社で開発したシステムの人件費は補助対象になりますか?
A. いいえ、社内システム・自社の基幹システム等の開発・改修を自社の人員で実施する場合の人件費は補助対象外です。システム開発は外注する必要があります。
Q. 補助事業期間を超えるクラウドサービスの契約はどうなりますか?
A. 契約期間が補助事業実施期間を超える場合、按分等により補助事業実施期間分のみが補助対象となります。
申請手続きに関する質問
Q. GビズIDを持っていません。間に合いますか?
A. GビズIDプライムアカウントの発行には1週間程度かかります。公募開始前に早めに取得手続きを行ってください。
Q. 一般事業主行動計画の公表が間に合いません。
A. 「両立支援のひろば」への掲載には2週間程度かかります。従業員21名以上の場合は必須要件のため、公募開始前に準備を進めてください。なお、応募時点で公表していない場合は、公表する旨を宣誓することで応募は可能です。
Q. 事業計画書の作成を専門家に依頼してもいいですか?
A. 事業計画は申請者自身で作成してください。専門家の支援を受けることは可能ですが、以下の点に注意が必要です。
- 事業計画書作成支援者名、報酬、契約期間を必ず記載
- 過大な成功報酬を請求する悪質な業者に注意
- 支援を受けているにも関わらず情報を記載しないと不採択・採択取消の可能性あり
- 事業計画書の作成を支援した者は、専門家経費の補助対象外
審査に関する質問
Q. 審査結果の詳細は教えてもらえますか?
A. いいえ、審査結果の詳細な内容についてはお答えされません。また、採択結果についての理由開示及び異議申し立ては一切受け付けられていません。
Q. 口頭審査は必ず行われますか?
A. いいえ、口頭審査は一定の基準で事業者を選定し、必要に応じて実施されます。口頭審査の対象となる基準は公開されていません。
Q. 採択率はどのくらいですか?
A. 採択率は公表されていませんが、カタログ型より審査が厳しいとされています。事業計画書の質を高めることが重要です。
採択後に関する質問
Q. 採択後、設備の仕様を変更できますか?
A. 交付決定後に内容を変更する場合は、事前に事務局の承認が必要です。軽微な変更であっても、必ず相談してください。
Q. 補助事業の実施場所を変更できますか?
A. 補助事業実施場所の変更は原則認められていません。やむを得ない事情がある場合は、事前に事務局に相談してください。
Q. 補助金はいつ受け取れますか?
A. 補助金は精算払いのため、事業完了後に実績報告を提出し、確定検査を経て補助金額が確定した後に支払われます。事前の概算払いはありません。
Q. 補助金は課税対象になりますか?
A. はい、補助金は支払を受けた事業年度における収入として計上し、法人税等の課税対象となります。圧縮記帳の適用については税理士にご相談ください。
要件達成に関する質問
Q. 賃上げ目標を達成できなかった場合はどうなりますか?
A. 達成率に応じて補助金の返還が求められます。ただし、以下の場合は返還が免除されます。
- 付加価値額が増加せず、かつ事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合
- 天災など、事業者の責めに帰さない理由がある場合
Q. 効果報告は何年間必要ですか?
A. 事業計画期間の1年目が終了してから、最初の4月より5年間、毎年効果報告が必要です。
Q. 導入した設備を売却・廃棄できますか?
A. 処分制限期間(法定耐用年数)内は、事前に事務局の承認を受ける必要があります。承認を受けずに処分した場合は、交付決定取消となります。承認を受けた場合も、残存簿価相当額等の納付が必要です。
その他の質問
Q. 他の補助金と併用できますか?
A. 同一経費への重複は不可です。ただし、異なる経費であれば他の補助金との併用は可能です。申請時に他の補助金の利用状況を正確に申告してください。
Q. リースでの導入は可能ですか?
A. 通常のリース・レンタルの場合、補助事業実施期間中の経費のみが対象となります。対象リース会社との共同申請スキームを利用する場合は、購入費用全額が対象となる場合があります。
Q. 不採択になった場合、再申請できますか?
A. はい、次回以降の公募に再申請することは可能です。不採択の理由は開示されませんが、事業計画書の内容を見直して再チャレンジしてください。
まとめ
省力化投資補助金(一般型)は、人手不足解消に向けたオーダーメイド設備の導入を支援する大型補助金です。
本記事のポイント
制度の特徴
- 補助上限は最大1億円、補助率は1/2〜2/3
- IoT・ロボット・AI等を活用したオーダーメイド設備が対象
- 汎用設備を単体で導入する事業は対象外
- カタログ型との使い分けが重要
申請要件
- 労働生産性の年平均成長率+4.0%以上
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
- 一般事業主行動計画の公表(従業員21名以上)
審査のポイント
- 省力化指数・投資回収期間の妥当性
- オーダーメイド性の明確な説明
- 会社全体への波及効果
- 賃上げの実現可能性
注意事項
- 交付決定前の発注は一切不可
- GビズID・一般事業主行動計画の早めの準備が必要
- 効果報告は5年間の義務
- 要件未達の場合は補助金返還の可能性あり
申請を検討される方へ
省力化投資補助金(一般型)は、審査項目が多く、事業計画書の作成には専門的な知識が求められます。特に以下の点で不安がある場合は、専門家への相談をお勧めします。
- 導入する設備がオーダーメイド設備に該当するか判断がつかない
- 省力化指数や投資回収期間の計算方法がわからない
- 事業計画書の書き方がわからない
- 採択される事業計画書のポイントを知りたい
補助金エアポートでは、中小企業診断士が事業計画書の作成から申請までトータルでサポートしています。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
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